認知症患者の食事で気をつけたいこと
認知症患者が食事拒否をする理由のなかに、食材が飲み込みづらいという問題があります。
高齢になると唾液の分泌量が次第に減ってしまい、乾いた食べ物がなかなか喉を通らなくなります。
更にひどくなると嚥下障害になり、食事の度に、気管に食べ物や飲み物が入るようになってしまいます。
気管支に食べ物や飲み物が詰まるとむせてしまい、その辛さから、次第に食事を楽しいとは思えなくなり、最終的には食事拒否という結果を招いてしまいます。
こうした問題を解決するためには、食材の大きさを変えてみるといいでしょう。
野菜や肉、そして果物は一口サイズに切り、簡単に飲み込むことができるようにしておきます。
また、魚の骨はすべて取り除いて、食べやすくしておくことが大切です。
加えて、食材の調理方法も変えることが必要です。
炒めたり揚げたりすると、どうしても固くなってしまうので、煮込んだり蒸したりして、食材を柔らかく調理することが大事です。
こうした調理法を取り入れることで、無理なく飲み込めるようになります。
それでも、なかなか飲み込めないという場合は、ゼラチンや片栗粉などを使って、料理全体にとろみをつけるといいでしょう。
なにより大切なことは、認知症患者に食事を楽しいと感じてもらうようにすることです。
認知症患者自身が食事が楽しいと思えるようになったら、自ら進んで食事をとってくれる可能性が高まります。
そのためにも、食事介助をする際には認知症患者の気持ちをしっかり汲み取りながら、適切な工夫をするようにしましょう。